
AI: ソムニウム ファイルの評価【口コミ・評判】Switch版メタスコア86点
『AI: ソムニウム ファイル』は、2019年9月19日にスパイク・チュンソフトから発売された推理アドベンチャーです。機種はNintendo Switch、PS4、PC(Steam)。『ZERO ESCAPE』シリーズの打越鋼太郎氏がディレクションとシナリオを手がけ、キャラクターデザインはコザキユースケ氏が担当しました。CEROはZ(18才以上のみ対象)です。
AI: ソムニウム ファイルの口コミ・評判をまとめると、「先が読めない物語と、夢の中を調べるソムニウムパートの発想は高評価。下ネタ多めの笑いと、夢パートの試行錯誤は好みが分かれる」という評価です。この記事では、Metacritic、ファミ通、Steamの評価と開発者の発言から、Switch版の評判を整理します。
※2026年11月8日時点の情報です。物語の核心にふれるネタバレはしていません。
AI: ソムニウム ファイルSwitch版のメタスコアは86点
MetacriticのSwitch版のメタスコアは86点(13件)でした。内訳は13件すべてが好意的で、賛否・否定的は0件。全件が好意的というのは、なかなか見ない数字なんですよね。ユーザースコアも8.7(580件)と高く、評価者の87%が好意的でした。
ただし、機種によって差があります。PS4版のメタスコアは78点(21件)で、こちらは賛否が5件ありました。Switch版のほうが点が高いのは、レビューを書いたメディアの顔ぶれの違いもあると思いますが、少なくともSwitch版の出来が悪いという評価ではありません。
海外メディアのレビュー(Switch版)
Metacriticに載っているSwitch版のレビューから、主なものを訳して要約しました(点数は100点満点)。
RPG Fan 94点
ダークで、ときに目をそむけたくなる物語の中に、ユーモアと温かさがあると評価しています。
RPG Site 90点
探偵ものが好きなら必ず遊ぶべき作品で、その年でいちばんの物語だとまで書いています。欠点は小さなものだけ、という見方でした。
Cubed3 90点
選択に意味のある、見事に作られたミステリーだと評価。Switch版には小さな技術的な問題がある、とも触れています。
Game Rant 90点
『ZERO ESCAPE』のファンなら買うべき1本で、物語は追いやすく、謎解きも楽しいとしています。
Nintenderos 90点
物語の引きは強い一方で、ゲームとしての仕組みはもう少し多くてもよかった、という注文を付けています。
Nintendo Life 80点
出だしはゆっくりだが、次第に緊張感が増して引き込まれる展開になると評価。『ZERO ESCAPE』のファンなら、なじみやすい作りだとしています。
ファミ通のクロスレビューは34点
週刊ファミ通1606号のクロスレビューで、Switch版は9・9・8・8点の合計34点(平均8.5点)でした。
- 卵を守る雨宮(9点):現実世界のハードボイルドな推理と、ネタの多い夢世界の推理のバランスが良い。夢の中の予想外の選択肢にワクワクできる
- ジゴロ☆芦田(9点):進め方は昔ながらのコマンド選択式だが、演出が凝っていて引き込まれる。ギャグや小ネタは多めで、好みが分かれそう
- くしだナム子(8点):奇抜で残酷なシナリオと、義眼の能力を軸にした設定が魅力。誤操作を防ぐ仕組みがあればなお良かった
- 戸塚伎一(8点):夢世界は不条理に見えて攻略のしがいがある。捜査パートは総当たりが多く、テンポがやや落ちる
Steam(PC版)の評価
SteamのPC版は、英語のレビューが4,494件中92%好評の「非常に好評」でした。一方、日本語のレビューは363件中79%が好評の「やや好評」で、英語圏より日本の評価がやや低めです。直近30日のレビューは29件中86%が好評で、発売から7年たった今も新しく遊ぶ人がいます。2026年11月8日時点のSteamでの価格は2,200円で、PCで遊べる環境があるなら、こちらも選択肢になります。
打越氏も、発売後のファミ通.comの座談会で、海外より日本のほうが評価が辛口だと話していました。海外での高い評価と、日本での「良いけれど好みが分かれる」評価の差は、この記事の後半で見る笑いの好みとも関係していそうです。
どんなゲーム?捜査パートとソムニウムパート
舞台は、少しだけ技術が進んだ東京。雨の夜、廃墟になった遊園地で、左目をくり抜かれた女性の遺体が見つかります。主人公は、特殊な捜査機関「ABIS」の捜査官・伊達鍵。左目にはAIを積んだ義眼「アイボゥ」が入っていて、X線で透かしたり、赤外線で見たり、拡大したりしながら現場を調べていきます。
ゲームは2つのパートを行き来して進みます。
- 捜査パート:現場を調べ、人に話を聞いて情報を集める、コマンド選択式のアドベンチャー
- ソムニウムパート:重要参考人の夢の中に入り、制限時間の中で手がかりを探す。夢の中でどう行動するかによって、物語の分岐が変わる
GDC 2019のインタビュー(Game*Spark)で打越氏は、前作の『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』より対象をアドベンチャーゲーム好きに絞り、「アドベンチャーファンに喜んでもらうこと」を目標にしたと話しています。参考人が黙っていたり話せなかったりする事件を、夢に入らずに解く方法はない、という作りもこのとき語られていました。

評価されている点
最後まで読めない物語
いちばん褒められているのは、やはり物語です。分岐しながら進む構成で、ある道で行き詰まった謎が別の道で明かされる、という作りが打越作品らしいところ。ユーザーレビューでも、「途中はめちゃくちゃに見えるのに、最後にすべてがつながる」という声が多く見られました。発売前のインタビューでは、エンディングが複数あるマルチエンディングで、その数は伏せると説明されていました。ルートを1つクリアしても話が終わらず、別のルートへ進みたくなる作りが、最後まで遊ばせる力になっていると思います。
夢の中を調べるという新しさ
ソムニウムパートは、夢らしい不条理な世界で、常識とは違う行動が正解になるのが特徴です。ファミ通のレビューでも「予想外の選択肢」が楽しいという声があり、ほかの推理ゲームにはない体験として評価されています。制限時間があることで、何を調べるかを考える緊張感も生まれているんですよね。
キャラクターと声の演技
相棒のアイボゥとの軽妙なやり取りや、個性の強い登場人物も人気の理由です。GamingTrend(90点)は声優の演技の良さも挙げていました。日本語音声で遊べるのは、日本のプレイヤーには大きな魅力です。
批判されている点
ソムニウムパートの試行錯誤
Metacriticのユーザーレビューで目立つ不満が、夢の中の謎解きが「総当たり」になりやすい点です。夢の論理が独特なので、正解の行動が思いつかず、何度もやり直すことになる場面があります。時間切れでやり直すくり返しを、面倒に感じる人は少なくありません。
下ネタ多めの笑い
好みがはっきり分かれるのが、ギャグの扱いです。シリアスな事件の合間に、子どもっぽい笑いや性的なネタがはさまるので、「テンポの良い笑い」と感じる人もいれば、「場面に合わない」と感じる人もいます。ファミ通の芦田氏が書いていた「好みが分かれそう」という点が、ユーザーの口コミでもそのまま表れていました。
序盤のテンポと探偵パートの薄さ
複数のメディアが「出だしがゆっくり」と書いていて、物語が動き出すまでに少し時間がかかります。また、捜査パートは「全部調べて全員に話を聞く」進め方になりがちで、推理を組み立てる楽しさは薄い、という声もありました。
Switch版の処理落ち
Switch版では、一部の場面でフレームレートが落ちたり、動きが重くなったりする、という指摘がユーザーレビューにありました。多くは「小さな問題」として書かれていて、遊べなくなるほどではないようです。
発売後の座談会で語られた作り込み
2019年11月にファミ通.comに載った座談会では、打越氏とリードプランナーの岡田昌氏が、ネタバレ込みで制作の裏話を語っています。ソムニウムパートは全部で13ステージあり、分岐を示すフローチャートの形にも、物語上の意味を持たせた部分があるそうです。また、一度調べると選択肢が変わる場面など、正解が1つではないケースも用意されていると明かされていました。
こうした仕掛けは、1周目では気づきにくい部分です。すべてのルートを見終えたあとに座談会を読むと、細かい演出の意図が分かって、もう一度遊びたくなると思います。クリアまでネタバレを避けたい人は、遊び終えてから読むのがおすすめです。
Switch版の価格と、続編・スピンオフ
Switch版はパッケージ版とダウンロード版があります。公式サイトの表記は希望小売価格4,000円+税(税込4,400円)で、発売時の6,800円+税から下がりました。文字は日本語・英語・繁体字、音声は日本語で、Steam版だけは英語音声も入っています。
シリーズは本作のあと、2022年に続編『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』が発売され、伊達鍵の名前を冠したスピンオフ『伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル』も、SwitchとSwitch 2向けに出ています(Amazon.co.jpの商品一覧で確認)。どれから遊んでもいいように見えますが、シリーズの出発点は本作なので、続編やスピンオフより先にこちらを遊んでおくのが無難です。
なぜ評価が割れるのか
物語やアイデアへの評価はほぼ全員が高く、割れているのは「笑いの好み」と「謎解きの手ざわり」の2点です。物語の重さと、軽いギャグの落差を楽しめるかどうかで、印象が大きく変わります。
また、打越作品を遊んだことがある人は、最後に謎がつながる構成を知っているので、途中の混乱も楽しみとして受け止めやすい傾向があります。初めての人は、序盤のゆっくりした流れや、夢パートのやり直しで離れてしまうこともあるので、評価の差はそこから生まれていると思います。
AI: ソムニウム ファイルは買い?こんな人に合う・合わない
結論は、「先の読めないミステリーを最後まで追いたい大人には強くおすすめ。ゲームとしての推理の手ごたえや、上品な笑いを求めるなら注意」です。
こんな人に合う
- 『極限脱出』(ZERO ESCAPE)シリーズなど、打越作品が好きな人
- 分岐をたどって、少しずつ真相に近づく物語が好きな人
- 夢の中で常識外れの行動を試す、ちょっと変わった謎解きを遊びたい人
- 続編『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』や、スピンオフの『伊達鍵は眠らない』を遊ぶ前に、1作目を押さえておきたい人
こんな人には合わない
- 18才未満の人(CERO Zのため購入・プレイ不可)
- 残酷な描写や、下品なギャグが苦手な人
- 自分で推理を組み立てる、手ごたえのある探偵ゲームを求める人
- やり直しや試行錯誤を、できるだけ少なく遊びたい人
笑いのクセさえ合えば、終盤に向けて印象がどんどん良くなっていくタイプの作品です。雨の東京で始まる事件の結末を、ぜひ自分の目で確かめてほしいと思います。