
帰ってきた 名探偵ピカチュウの評価・レビュー【口コミ・評判】
『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』は、2023年10月6日に発売された Nintendo Switch 用のアドベンチャーゲームです。2018年にニンテンドー3DSで発売された『名探偵ピカチュウ』の続編で、前作で残された謎の答えが描かれます。帰ってきた 名探偵ピカチュウの評価や口コミを見ていくと、点数だけでは測れないタイプの作品だと感じるんですよね。
この記事の答えを先に書いておくと、ピカチュウのキャラクターと親しみやすい物語は好評でも、謎解きのやさしさやボリュームの控えめさから、メディアの点数は中くらいに落ち着いた作品です。Metacritic の点数と内訳、海外メディアのレビュー、ファミ通のクロスレビュー、制作陣のインタビューをもとに、どんな人に向いた作品なのかを整理しました。
※2026年11月8日時点の情報です。Nintendo Switch 専用ソフトのため、Steam のレビューは存在しません。
帰ってきた 名探偵ピカチュウのメタスコアとユーザー評価
Metacritic の Nintendo Switch 版ページでは、メタスコアは66点で、批評家レビューは88件でした。内訳は肯定的18件(20%)、賛否69件(78%)、否定的1件(1%)です。8割近くが賛否の評価に集まっていて、「嫌いではないが、強くは推しにくい」という受け止め方が多かったことが分かります。
ユーザースコアは4.8点で、評価数は81件でした。内訳は肯定的21件(26%)、賛否25件(31%)、否定的35件(43%)です。ただし評価数が100件に満たないため、この数字だけで全体の評判を判断するのは難しいと思います。
海外メディアのレビュー・評価
Metacritic に掲載されたレビューから7つを選び、翻訳・要約しました(点数は Metacritic 上の表記です)。
Player 2 100点
ポケモンとアドベンチャーゲームの組み合わせは特別なものだと評価し、推理ゲームを初めて遊ぶ人にとって、すぐれた入り口になると書いています。
MGG 75点
前作より自由度が増え、寄り道の要素が加わったことや、吹き替えの出来を評価しています。一方で、成長の仕組みがないことを残念な点に挙げました。
Gamereactor Spain 70点
調査は及第点、物語も悪くないとして、作りの硬さはあってもこのジャンルへの入門としては十分だ、という評価です。
Screen Rant 70点
映画が見せてくれた可能性には届かないものの、前作が好きだった人を満足させる、しっかりした続編だと書いています。
GAMINGbible 60点
期待しすぎなければ、楽しいポケモンの旅になる、と条件付きで勧めています。
IGN 60点
遊びの中身が基本的で、見た目も物足りないとして、このゲームが誰に向けたものなのかを問いかけています。
4P.de 40点
読むことと歩くこと以外にほとんど遊びがなく、物語も先が読めてしまうとして、可能性を生かし切れていないと厳しく評価しました。
高い点をつけたメディアは「初心者の入り口」としての価値を、低い点をつけたメディアは「ゲームとしての手ごたえ」の薄さを見ています。同じ特徴を、長所と見るか短所と見るかで点数が分かれている形です。

国内の評価(ファミ通・価格.com)
ファミ通のクロスレビュー(週刊ファミ通1821号)は、7点・8点・8点・8点の合計31点でした。どのレビュアーも、見た目のかわいさと渋い声のギャップが魅力のピカチュウ、ライムシティの雰囲気、ポケモンの能力を借りて調べる仕組みを褒めています。映画を体験しているような構成と、手厚いサポートによるテンポの良さを挙げる声もありました。
気になる点としては、謎解きに物足りなさがあったこと、全体のボリュームがもう少し欲しかったこと、ゲームに慣れた人にはシステム面で物足りないかもしれないことが挙がっています。7点をつけたレビュアーも、ピカチュウとの会話の楽しさは評価したうえで、推理の歯ごたえを課題にしていました。
価格.com のレビューでは、満足度は5点満点中3.97点でした(2026年11月8日時点)。ただしレビューは7件と少なめです。項目別ではグラフィック4.44点、サウンド4.32点が高く、継続性(くり返し遊べるか)は3.37点と最も低くなっていました。口コミでも、見た目と音楽の良さ、子どもでも分かりやすい操作が褒められる一方、一度クリアすると遊び直す理由が少ないという声がありました。
制作陣のインタビューで語られたこと
発売後の2023年10月、ファミ通はクリーチャーズの陣内弘之氏(本作のゼネラルプロデューサー・シナリオディレクター)と、株式会社ポケモンの石原恒和氏(エグゼクティブプロデューサー)にインタビューしています。前作から5年がたったことについて、陣内氏は長く待たせてしまったことをファンにわびていました。
陣内氏によると、シナリオは、ふだんあまりゲームを遊ばない人や、大人の世代でも楽しめるように作ったそうです。そのうえで、ポケモンのゲームとして子どもが楽しめることも常に意識しているといいます。謎解きの難しさは、どの年代でも遊べるよう細かく監修されていました。石原氏は、答えを表示する機能などを用意した理由として、じっくり遊びたい人、物語を早く進めたい人、人が遊ぶのを見て楽しみたい人など、さまざまな遊び方に応えるためだと説明しています。
また陣内氏は、ティムとピカチュウ、そしてハリーの物語は本作で完結すると話しています。人の言葉を話すピカチュウについては、人とポケモンが言葉でつながることが根っこにあるテーマだと語っていました。
前作から何が変わったのか
前作『名探偵ピカチュウ』は、ニンテンドー3DS 用のシネマティックアドベンチャーとして発売されました。当時の公式サイトでは、ポケモンのゲームで最大級のボリュームの映像シーンで物語が進むことが紹介されています。ティムが証言を集め、証拠をもとに事件を解決していく、という基本の流れは本作にも引き継がれました。
本作で大きく変わったのは、遊ぶ場所と見た目です。Nintendo Switch になったことで、ライムシティの街並みやポケモンたちの姿がより細かく描かれるようになり、価格.com の口コミでもグラフィックの項目が最も高い点数を集めています。さらに、街の中を歩き回れる範囲や寄り道の要素が増え、ポケモンの力を借りて調べる場面が加わりました。一方で、推理の流れやゲームとしての骨組みは前作から大きくは変わっていません。この「変わらなさ」を安心感と見るか、進歩の少なさと見るかが、前作を遊んだ人の評価を分けるポイントです。
なお、このシリーズをもとにした実写映画『名探偵ピカチュウ』も作られています。Screen Rant が「映画が見せてくれた可能性には届かない」と書いたように、海外では映画の印象と比べて本作を評価したレビューもありました。
評価されている点
ピカチュウというキャラクターの魅力
レビューで最も多く褒められているのが、コーヒー好きで少しおじさんっぽい口ぶりのピカチュウです。見た目はおなじみのかわいいピカチュウなのに、話すとどこか渋い。このギャップが、国内外を問わず好評でした。ティムとの掛け合いも、物語を読み進める楽しさを支えています。
ポケモンの力を借りる調査
公式サイトでは、事件現場を調べたり、人間やポケモンに聞き込みをしたりして、証言や証拠を集めていく遊び方が紹介されています。本作ではさらに、ポケモンの能力を借りて調査を進める場面があり、ファミ通のレビュアーもこの部分を面白いと評価していました。MGG が挙げたように、前作より街を歩き回れる自由さも増しています。
物語の結末が描かれる
前作を遊んだ人にとっては、行方不明の父親の謎に答えが出ることが、何よりの価値です。Screen Rant も、前作が好きだった人を満足させる続編だと書いていました。完結編として、気になっていた疑問を回収できる作品になっています。インタビューで石原氏は、評判やファンの声しだいで別の展開を考える可能性に触れつつも、約束はできないという姿勢でした。ティムとピカチュウの物語を一区切りまで見届けられるのは、今のところ本作だけということになります。
批判されている点
推理の手ごたえが軽い
やさしい作りは、裏を返せば歯ごたえの少なさにもなります。ファミ通のレビュアーの多くが謎解きの物足りなさに触れ、4P.de は「読むことと歩くことしかない」とまで書きました。推理アドベンチャーとして、自分の頭で真相にたどり着く達成感を求める人には、物足りなさが残りそうです。
見た目とボリュームへの不満
IGN が見た目の物足りなさを挙げ、ファミ通のレビュアーがボリュームの控えめさを指摘しているように、ゲームとしての規模は大きくありません。成長や収集のような長く遊べる仕組みがないことも、MGG が残念がっていた点です。価格.com で継続性の点数が低いのも、この点とつながっています。
前作を知らないと入りにくい部分も
物語は前作の続きなので、価格.com の口コミには、前作を知っている前提で話が進むという声もありました。本作から遊んでも楽しめるように作られてはいますが、登場人物の関係や父親の失踪の経緯を知っていると、物語への思い入れはより深くなるはずです。
評価が中くらいに落ち着いた理由
本作の点数が伸びきらなかったのは、作り手がはっきり「誰でも最後まで遊べること」を優先したからだと思います。インタビューで語られたように、ふだんゲームを遊ばない人や子どもでも楽しめることを重視すると、推理の難しさやシステムの複雑さは、どうしても抑えめになります。
ゲームに慣れたレビュアーほど、この作りを「手ごたえがない」と感じ、点数を下げました。一方で Player 2 のように、推理ゲームの入門として見れば満点をつけるメディアもあります。作品の出来が悪いというより、評価する人がどこに物差しを当てたかで、点数が上下しているんですよね。
帰ってきた 名探偵ピカチュウは買いか
希望小売価格は、パッケージ版が6,578円(税込)、ダウンロード版が6,500円(税込)です。公式サイトによると通信機能には対応しておらず、ひとりで物語を楽しむ作品です。
この作品と相性がいい人
- 前作を遊んでいて、ティムとピカチュウの物語の結末を見届けたい人
- 親子で画面をのぞき込みながら、映画のように物語を楽しみたい人
- 推理ゲームに興味はあるけれど、難しすぎる謎解きは避けたい人
期待とずれるかもしれない人
- 頭をひねって真相を突き止める、本格的な推理の手ごたえを求める人
- 何十時間も遊べる、ボリュームの大きなゲームを探している人
- クリア後のやり込み要素や、くり返し遊ぶ楽しみを重視する人
帰ってきた 名探偵ピカチュウは、難しさで勝負する作品ではなく、ピカチュウとの会話と物語を味わう作品です。メタスコアの66点は、推理ゲームとしての物差しで測った数字だと考えておくと、期待のずれは小さくなります。コーヒー片手のピカチュウの軽口を聞きながら、肩の力を抜いて楽しむのがいちばん合った遊び方だと思います。