
世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTERの評価【口コミ・評判】
『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』は、2023年6月1日にアトラスから発売された3DダンジョンRPGです。DSで出たシリーズ初期の3作、『世界樹の迷宮』(2007年)、『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』(2008年)、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』(2010年)を、Nintendo SwitchとPC(Steam)向けにHD化して1本にまとめています。Switch版は3作入りのパッケージ版・ダウンロード版が税込8,980円で、各作品を単品で買えるダウンロード版(税込4,467円)もあります。
口コミ・評判をまとめると、「自分で地図を描いて進む探索の手応えはそのままに、難易度選択やオートマップで入りやすくなった、手堅い復刻」という評価が中心です。Switch版のメタスコアは77点でした。その一方で、DSの2画面とタッチペンで地図を描いていたころの快適さには届かない、見た目や作りが古い、といった声もあります。この記事では、海外のメタスコア、Steamの評価、開発陣の発言をもとに、Switch版の評価を整理していきます。
※2026年11月8日時点の情報です。
世界樹の迷宮HD REMASTERのメタスコアとユーザー評価
MetacriticのSwitch版(海外名『Etrian Odyssey Origins Collection』)は、メタスコア77点(25件)で「Generally Favorable(おおむね好評)」でした。内訳は肯定的18件(72%)、賛否両論7件(28%)、否定的0件です。低い点を付けたメディアがなく、評価が大きく崩れていない点が特徴です。
ユーザースコアは10点満点中8.3で、肯定的12件、賛否4件、否定的0件(合計16件)でした。件数はかなり少なめです。表示されていたユーザーレビューには、市販のSwitch用タッチペンを買ったら地図描きがぐっと楽しくなったという声や、満足できるリマスターだが、そろそろ予算をかけた新作を遊びたいという声がありました。
各メディアのレビュー・評価
Metacriticに掲載されたSwitch版のレビューから、主なものを訳して要約しました(点数はMetacriticの表記です)。
Cubed3 90点
初期3作の決定版と位置づけています。価格は安くないものの、3本分の中身を考えれば十分にお得だという評価でした。
Hey Poor Player 90点
歯ごたえのあるダンジョン探索に、ちょうどよい程度のHD化が施されていると評価しています。Switchで遊べるようになったこと自体を歓迎する内容です。
Digitally Downloaded 90点
DS・3DSの2画面で地図を描く体験はSwitchでは失われたと残念がりつつ、ゲームとしては今でも洗練されたダンジョン探索だと高く評価しています。
Noisy Pixel 80点
シリーズの入り口として勧めています。ただし、IとIIには、3DSのリメイク版で入った遊びやすさの改良が入っていない点を指摘しています。
Metro GameCentral 80点
地図を自分で描かされる古風なRPGが3本入っているのに、それでも引き込まれてしまう、という紹介でした。
Everyeye.it 80点
懐かしさを味わえる優れたコレクションだとしつつ、Switchには地図描き用のペンが付いていないこと、若い世代には作りが古く感じられそうなことを挙げています。
Metacriticのページに表示されていたのは25件中10件で、その中の最低点は80点でした。賛否両論の7件は表示外にあるため、どの点が厳しく見られたのかまでは、ページ上では確認できませんでした。
Steam版は3作ごとに評価が分かれる
PC版は、Steamでは3作が別々のストアページで売られています。ストアページで表示された評価は次のとおりです。
- 『世界樹の迷宮 HD REMASTER』:非常に好評(986件中88%が好評)
- 『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 HD REMASTER』:やや好評(263件中79%が好評)
- 『世界樹の迷宮III 星海の来訪者 HD REMASTER』:非常に好評(605件中88%が好評)
IとIIIが9割近い好評率なのに対して、IIだけ少し低めです。ストアの数字だけでは理由まではわかりませんが、3作をまとめて買う前に、作品ごとに受け止め方の差があることは知っておくとよさそうです。また、Iのレビュー件数が最も多く、まずIから遊び始める人が多いことも数字から読み取れます。

どんなゲームか:自分の手で地図を描く3DダンジョンRPG
プレイヤーは街のギルドで冒険者を作り、パーティを組んで、巨大な樹の下に広がる迷宮「樹海」に挑みます。画面は一人称視点で、1歩ずつ進むたびに方眼の地図へ壁や扉、宝箱、近道などを自分で書き込んでいくのが、このシリーズ最大の特徴です。
迷宮には、フィールド上を動き回る強敵「F.O.E.」がいて、うかつに近づくとパーティが全滅しかねません。敵の動きを読み、地図に印を付けながら安全な道を探す作業が、そのまま攻略になっています。GAME Watchのレビューは、序盤から最大20人の冒険者をギルドに登録して、パーティを自由に組み替えられる点を、一般的なRPGにはない新鮮さとして紹介していました。
3作の違いでいうと、IIIには船で海へ出る「大航海」の要素があり、大航海クエストと交易は、今回のHD版でオンラインに対応しています。
HD REMASTERで追加・変更された点
公式サイトで確認できた主な変更点は、次のとおりです。
- 迷宮、キャラクター、モンスター、戦闘エフェクトをHD化
- 全クラスに新規イラストを追加し、各クラス5種類の見た目から選べる。ほかのクラスの見た目も選択可能
- 難易度を3段階から選べる(PICNIC/BASIC/EXPERT)。EXPERTは原作相当で、街で変更できる
- 歩いた床や壁を自動で記録するオートマップ
- 戦闘中の強化・弱体の表示と、モンスターの情報を見られる「DICTIONARY」
- セーブ枠を9つに増加
地図は、携帯モードのタッチ操作でも、コントローラーでも描けます。GAME Watchによると、地図を左右どちらに置くかを利き手に合わせて変えたり、タッチした位置とカーソルのずれを調整したりする設定もあり、オートマップは「オフ/床だけ/床と壁」の3段階から選べます。また、発表時に報じられた内容によると、IIIでは第6階層の戦闘曲が、古代祐三氏による新曲に差し替えられています。
開発陣の発言から見えるHD化の狙い
本作単独の開発者インタビューは見つからなかったため、発売決定を記念した生放送での開発陣の発言を報じたAUTOMATONの記事を参考にしました。要点は次の3つです。
- 今の機種では遊べなくなっていた初期3作を、現行のハードで遊んでもらいたかった
- このHD版を遊んだ人の反応を、シリーズの今後に生かしたい
- 2画面のDSから離れて新作を作るには、まだ時間がかかる
つまり本作は、シリーズの入り口を今のハードに用意しつつ、2画面に頼らない遊ばせ方を探るための1本でもあったと考えられます。
評価されている点
地図を描きながら進む探索の手応え
最も多く挙がる長所です。GAME Watchのレビューは、目印のない階層で道を探すのは手間がかかるが、だからこそ奥へ進めたときの達成感が大きい、とまとめていました。地図が少しずつ埋まっていく感覚は、オートマップが当たり前の今のRPGでは、かえって新鮮に感じられるんですよね。
難易度とオートマップで入りやすくなった
Siliconeraは、オートマップと難易度の選択によって、シリーズに慣れていない人でも取り組みやすくなったと評価しています。PICNICなら全滅の心配をあまりせずに物語と探索を楽しめるので、昔に挫折した人が再挑戦するきっかけにもなりそうです。
3作入りのボリュームと買い方の選択肢
1本で3作を遊べるので、遊びきるまでの時間はかなり長くなります。単品のダウンロード版もあるため、まずIだけ遊んで、気に入ったら残りを買い足すこともできます。ただし、単品3本をそろえると合計13,401円になり、3作入りの8,980円より4,000円以上高くなります。最初から3作とも遊ぶつもりなら、まとめて買うほうが割安です。
パーティ作りの自由度が増した
新規イラストが増え、ほかのクラスの見た目も選べるようになったことで、自分だけのギルドを作る楽しさが広がりました。見た目と職業を自由に組み合わせられる点は、原作を遊んだ人にも好評です。
批判されている点
DSの2画面とタッチペンがない不便さ
DSでは下の画面にペンで地図を描きながら、上の画面で迷宮を見ることができました。Switchは1画面なので、地図と迷宮を同時に見るにはどうしても窮屈になります。テレビにつないで遊ぶときはタッチ操作が使えないため、地図はコントローラーで描くことになります。ペンが付いていない点を挙げたメディアや、タッチペンを別に買って解決したというユーザーもいました。
IとIIは3DSリメイク版の改良が入っていない
IとIIには、3DSで出たリメイク版がありますが、今回のHD版のもとになっているのはDSの原作です。そのため、リメイク版で入った遊びやすさの改良は入っていません。リメイク版を遊んだ人ほど、物足りなさを感じやすい部分です。
見た目と作りの古さ
HD化で画面はきれいになったものの、ゲームの骨組みはDS時代のままです。今のRPGのような丁寧な導線や演出を期待すると、不親切に感じる場面もあると思います。

評価が分かれるのはどこか
本作の評価は、DSの原作を遊んだかどうかで分かれます。原作を知る人には、きれいな画面で3作を遊び直せる手軽さが喜ばれる一方、2画面での地図描きの心地よさを知っているぶん、操作の窮屈さが目につきやすいようです。初めて遊ぶ人にとっては、難易度とオートマップのおかげで入りやすくなった反面、地図を自分で描くこと自体を面倒に感じるかどうかが分かれ目になります。
世界樹の迷宮HD REMASTERは買いか
手探りで迷宮を切り開く遊びが好きな人には、今でも十分に勧められるコレクションです。2026年11月8日時点で、Amazon.co.jpのSwitch版パッケージの評価は5点満点中4.3(452件)でした。
このコレクションで満足しやすい人
- 方眼を少しずつ埋めていく地道な探索が好きな人
- DS版をやり残した、または手放してしまったシリーズのファン
- 職業と見た目を自由に組み合わせて、自分だけのパーティを作りたい人
ほかの選択肢も考えたい人
- 3DSのリメイク版のような改良や物語モードを期待している人
- テレビにつないで遊ぶのが中心で、地図描きの操作が気になる人
- 目的地や道順を親切に示してくれる、今風のRPGを求めている人
どちらに当てはまるか迷う人は、体験の中心が「地図を描くこと」にある点を基準にすると判断しやすいです。地図を描く作業そのものを楽しめるかどうかで、このコレクションへの満足度は大きく変わります。
迷った人は、まず単品のIだけを買い、PICNICかBASICで最初の階層を描き切ってみるのがおすすめです。白紙の方眼が自分の書いた線で埋まっていく楽しさを味わえたなら、残りの2作もきっと最後まで付き合える1本になると思います。