ゴースト トリック のキービジュアル

ゴースト トリックの評価・レビュー【口コミ・評判】Switch版

『ゴースト トリック』は、2010年にニンテンドーDSで発売された謎解きアドベンチャーのHDリマスター版で、2023年6月30日に Nintendo Switch、PS4、Xbox One、PC(Steam)向けに発売されました。『逆転裁判』シリーズの生みの親である巧舟さんが手がけた作品で、殺されて記憶を失った主人公が、タマシイの姿で一晩のうちに事件の真相を追いかけます。ゴーストトリックの評価を調べると、「知る人ぞ知る名作がやっと日の目を見た」という喜びの声が本当に多いんですよね。

まず結論を書くと、伏線が最後に一つの線になる物語と、モノに取りついて仕掛けを動かすパズルの組み合わせは、メディアにもユーザーにもほぼ絶賛されています。気になる点として挙がるのは、DS版から大きく変わらない見た目や、すでに遊んだ人が買い直す理由の少なさです。この記事では、Metacritic、Steam、開発者インタビュー、国内の口コミなどから、評判を整理しました。

※2026年11月8日時点の情報です。Switch 版を中心に扱い、PC版の Steam レビューは参考として紹介します。物語の結末に関わるネタバレは書いていません。

ゴースト トリックのメタスコアとユーザースコア

Metacritic の Nintendo Switch 版ページ(海外名『Ghost Trick: Phantom Detective』)では、メタスコアは86点で「Generally Favorable(おおむね好評)」でした。批評家レビューは29件で、内訳は肯定的28件(97%)、賛否1件(3%)、否定的0件です。同じページで見られるほかの機種は、PC版90点(10件)、iOS版87点(16件)、PS4版84点(33件)、Xbox One版84点(8件)、元のDS版83点(60件)で、どの版も80点台以上という安定した評価です。

目を引くのはユーザースコアで、Switch 版は9.5点の「Universal Acclaim(絶賛)」でした。評価は49件と多くはないものの、肯定的46件(94%)、賛否3件(6%)、否定的0件と、否定的な評価が1件もありません。

海外メディアのレビュー・評価

Metacritic に掲載された Switch 版のレビューから、主なものを訳して要約します(点数は Metacritic 上の表記です)。

Nintendo Life 100点

DS で最高の作品の一つであり、今では Switch でも最高の作品の一つだと評価しています。『逆転裁判』『ダンガンロンパ』『AI: ソムニウム ファイル』が好きな人に、物語と絵の魅力から強く勧めています。

VG247 100点

ほかにない遊びと好感の持てる登場人物を評価し、とにかく結末まで遊んでほしいと書いています。主人公シセルの物語の続きをカプコンが作ってくれることを願う、という一文もありました。

TouchArcade 100点

今回がこの作品の3度目の発売だとしたうえで、今度こそ多くの人に届いてほしいと書いています。物語、仕組み、登場人物、演出、パズルのどれもが、巧舟さんの『逆転裁判』と並ぶ出来だという評価です。

GamingTrend 100点

機知に富んだ文章、引き込まれる殺人ミステリー、美しい絵、忘れがたい音楽を挙げ、パズルゲームの中でも最上位に入る作品だとしています。DS版が受けられなかった注目を、リマスター版で集めてほしいとも書いています。

NintendoWorldReport 95点

遊び直したことで、ゲームという表現の中で最高のミステリーの一つだという考えが強まったと書いています。

Nintenderos 90点

すでに持っている人が遊び直すほどの新しい要素は多くないと指摘しています。それでも、心に響く物語と、集めて楽しめるおまけ要素から、ミステリー好きには欠かせない1本だとしています。

表示されているレビューは90点以上ばかりで、指摘らしい指摘は「新要素の少なさ」くらいでした。作品そのものへの評価はほぼ満場一致と言ってよく、リマスターによって改めて評価を受け直した形です。

主人公のタマシイが次の「コア」へ乗り移ろうとする、トリツクの操作画面
画像: img-eshop.cdn.nintendo.net(任天堂 ニンテンドーeショップ/マイニンテンドーストアの商品画像)(公式)

Steam版(PC)は「圧倒的に好評」

PC版は Steam で2023年6月29日に発売されていて、価格は2,990円です。ストアページの英語レビューは「圧倒的に好評」で、2,149件中97%が好評でした。直近30日のレビューも91件中95%が好評です。Metacritic の PC 版が90点で最も高いことも合わせると、どの機種で遊んだ人からも同じように支持されていることがわかります。

開発者インタビューで語られたリマスターの中身

発売前の2023年6月13日には、GAME Watch と電ファミニコゲーマーに、オリジナル版ディレクターの巧舟さん、リマスター版ディレクターの丸山敦史さん、プロデューサーの和泉真吾さんへのメールインタビューが掲載されました。巧さんは本作に「ゴーストアドバイザー」として参加し、要所を監修しています。

丸山さんは、解像度、フレームレート、サウンド、UIを改修し、大画面やコントローラーでも当時の体験を違和感なく再現することを目指したと説明しています。キャラクターの表情や服装にも手を加え、設定画やモーション案を見られる「イラストアツメ」を新しく用意したそうです。音楽は、杉森雅和さんの原曲を北川保昌さんがアレンジした版を収録していて、ゲーム中に曲を途切れさせずに原曲とアレンジを切り替えられます。和泉さんは、移植を望む声が多かったことと、13年前に遊べなかった人に届けたかったことをリマスターの理由に挙げていました。

巧さんの話で印象的なのは、企画が『逆転裁判3』の完成直後の2004年に、「逆転裁判と違う新しいミステリ」として始まったことです。物語の謎とパズルを同時に進める作りを目指したこと、キャラクターの動きの9割以上をスタッフの手作業で作ったことも語られています。初めて遊ぶ人に向けては、ネタバレを避けてほしいと呼びかけていました。

電ファミニコゲーマーのインタビューでは、巧さんが本作を「当時も今も自信作」と語り、システム、シナリオ、キャラクター、音楽のすべてに手応えがあったと話しています。和泉さんは続編やスピンオフを考えたくなるほど作品が広がってほしいと述べ、巧さんも「死者のチカラ」にはまだ可能性があると答えていました。海外メディアのレビューに「続きを作ってほしい」という声が出ているのと、作り手の思いが重なっているのが面白いところです。

評価されている点

最後にすべてがつながる物語

ユーザーレビューで真っ先に挙がるのが物語とどんでん返しです。一晩という短い時間の中で、一見ばらばらに見えた出来事や登場人物が、終盤で一つにまとまっていきます。VG247 が「結末まで遊んでほしい」と書いたのも、この終盤の積み上げがあるからなんですよね。

「トリツク」と「アヤツル」のパズル

主人公はモノに取りつき(トリツク)、そのモノを動かす(アヤツル)ことで、死の4分前に戻って運命を変えていきます。扇風機を回す、傘を開くといった小さな動きが連鎖して大きな結果を生む仕掛けは、見ていて気持ちが良いものです。ユーザーからは「理不尽ではない、ちょうど良い難しさ」という声が多く、謎解きゲームに慣れていない人でも進めやすい作りになっています。GAME Watch のインタビューによると、開発中のテストで「難しい」という声が多かったことから、死者のタマシイと会話してヒントをもらえる仕組みが生まれたそうです。

なめらかに動くキャラクターと音楽

手作業で作られたキャラクターの動きは、リマスター版でも大きな魅力です。シルエットだけで誰かわかるほど個性的な登場人物たちが、舞台劇のように大きく動きます。音楽も高く評価されていて、原曲とアレンジ版を好みで選べるのは、昔遊んだ人にもうれしい変更です。

女刑事リンネが「あなた…いったい、ダレなの?」と問いかける会話の場面
画像: img-eshop.cdn.nintendo.net(任天堂 ニンテンドーeショップ/マイニンテンドーストアの商品画像)(公式)

批判されている点

新しい要素が少なく、見た目もDS版に近い

メディアとユーザーの両方から出ているのがこの点です。追加されたのはイラストや曲を集める要素が中心で、物語や事件の追加はありません。ユーザーレビューには、グラフィックが元のDS版からあまり変わっていないという声もありました。DS版を遊び込んだ人にとっては、買い直す決め手が弱いと感じやすいところです。

フレームレートと画面比率の不満

Metacritic のユーザーレビューでは、Switch 版のフレームレートが安定しない、設定で変えられない、16:9 の全画面表示がない、といった技術面の指摘も見られました。遊べなくなるほどの問題ではないものの、気になる人は気になる部分です。

序盤の盛り上がりと、価格への意見

物語が面白くなるまでに時間がかかる、パズルが単純すぎることがある、という意見も少数ながらあります。DS版の4Gamer の読者レビュー(読者評価85点、投稿8件)でも、ボリュームの物足りなさやイベントを早送りできない点が不満に挙がっていました。また、遊べる時間のわりに価格が高いという声もあり、セールを待つ人もいるようです。

ゴースト トリックが今になって絶賛される理由

本作の評価が発売から13年たっても落ちないのは、遊びと物語が切り離せない作りになっているからだと思います。パズルを解くことがそのまま物語を進めることになり、物語の謎がそのまま次のパズルの動機になります。巧さんが語った「物語とパズルの融合」という狙いが、ほぼそのまま評価につながっています。

一方で、DS版を知っている人と初めての人では、リマスターの受け止め方が違います。初めての人には「こんな作品があったのか」という驚きがあり、経験者には「懐かしい作品をきれいな画面で遊び直せる」以上の価値は見つけにくい。メディアの点数が高いまま、指摘が新要素の少なさだけに集中しているのは、この差によるものです。

ゴースト トリックは買うべきか

任天堂のソフト情報では、価格はパッケージ版が4,389円(税込)、ダウンロード版が2,990円(税込)です。CERO は B(12才以上対象)、プレイ人数は1人で、日本語のほか英語や中国語、韓国語などにも対応しています。パッケージ版には、謎解きキットを同梱した「謎解きキット トリツキBOX」も用意されていました。

ゴースト トリックを特に勧めたい人

  • 『逆転裁判』のように、伏線の回収で驚かされる物語が好きな人
  • ピタゴラ装置のように、仕掛けが連鎖して動く様子を見るのが好きな人
  • 長すぎない、一気に遊び切れる謎解きゲームを探している人

期待とずれるかもしれない人

  • DS版を遊んでいて、新しい事件やシナリオの追加を期待している人
  • フレームレートや画面比率など、技術面の仕上がりを重視する人
  • 手応えの強い、難しいパズルを解きたい人

ゴースト トリックは、Switch 版のメタスコア86点、ユーザースコア9.5点、Steam の英語レビューで97%の好評率と、数字の面でも文句のつけどころが少ない作品です。DS の時代に見逃していたなら、今こそ遊ぶ良い機会だと思います。できればネタバレを見ないまま、最後の夜明けまで見届けてください。