
ポケモン ソードの評価・レビュー【口コミ・評判】メタスコア80点とユーザー4.8点の差
『ポケットモンスター ソード』は、2019年11月15日に発売された Nintendo Switch 用の RPG です。新しい舞台のガラル地方を冒険するポケモン本編の新作で、同時発売の『シールド』と対になっています。任天堂の IR 資料では、『ソード・シールド』の合計販売本数は2,736万本(2026年9月末時点)で、任天堂が販売本数を公表している Switch のソフトの中でも、特に大きな数字になっています。ところが、ポケモン ソードの評価や口コミを調べてみると、メディアの点数とユーザーの点数がここまで離れたソフトも珍しいんですよね。
結論から言うと、ワイルドエリアや遊びやすさの改善はメディアから高く評価された一方、登場ポケモンの絞り込みなどへの不満が、ユーザースコアを大きく押し下げた作品です。この記事では、Metacritic の数字と内訳、海外と国内のレビュー、発売前後の開発者インタビューから、評価が割れた理由を整理しました。
※2026年11月8日時点の情報です。Nintendo Switch 専用ソフトのため、Steam のレビューは存在しません。
ポケモン ソードのメタスコアとユーザー評価
Metacritic の Nintendo Switch 版ページでは、メタスコアは80点、批評家レビューは87件でした。内訳は肯定的66件(76%)、賛否21件(24%)、否定的0件です。メディアの評価は「おおむね好評」の範囲に収まっています。
ところが、ユーザースコアは4.8点(評価数6,706件)で、Metacritic の区分では「おおむね不評」になっています。内訳は肯定的2,233件(33%)、賛否1,249件(19%)、否定的3,224件(48%)で、ほぼ半数が否定的な評価です。評価数も多く、一部の人だけが低い点をつけたわけではないことが分かります。
海外メディアのレビュー・評価
Metacritic に掲載されているレビューから7つを選び、翻訳・要約しました。
We Got This Covered 100点
ゲームを遊んでこれほどの喜びを感じたのがいつ以来か思い出せない、と最大級の言葉で褒めています。
USgamer 90点
魅力的なキャラクターと新しい地方で一人用の物語が楽しめ、特にワイルドエリアが面白いと評価しています。議論はあっても、楽しい時間を約束してくれる作品だという結論です。
Meristation 83点
おそらく3Dのシリーズ作品の中では最高の出来だとしながら、内容の薄さがあるため「卓越」ではなく「注目に値する」作品にとどまる、と書いています。
God is a Geek 80点
昔ながらのポケモンの魅力を保っているが、欠点がないわけではない、というバランスの取れた評価です。
COGconnected 79点
楽しさはいつもどおりだとしつつ、ぎこちない会話と、物語の途中から難易度が大きく下がる点を批判しています。
Gameplanet 70点
十分なリスクを取っておらず、本当に新しく重要なことに挑戦していないと指摘し、使い回された素材の多さにも触れています。
Daily Star 60点
キャラクターとガラル地方のデザインは褒めながら、テンポの悪さと制約の多い世界の作りのせいで、「傑作」ではなく「良作」にとどまっていると評価しています。
高い点のレビューが新しい遊びの楽しさを語っているのに対し、70点以下のレビューは挑戦の少なさやテンポ、世界の作りの窮屈さを問題にしています。褒められている部分と批判されている部分が、比較的はっきり分かれているのが特徴です。
国内の評価(ファミ通・価格.com)
ファミ通のクロスレビューは、10点・9点・10点・9点の合計38点で、海外よりも高い評価でした。10点のレビュアーは、探索・バトル・ポケモンとのふれあいのすべてで「正統進化」していると評価し、ダイマックスの見た目やかわいくなったポケモンキャンプにも触れています。9点のレビュアーからは、ワイルドエリアは画期的だという声や、町に戻らずにボックスのポケモンと入れ替えられる便利さを挙げる声がありました。気になる点としては、物語がややあっさりしていること、戦闘後にポケモンの手入れをする要素がなくなって残念だということが書かれていました。
価格.com のレビューでは、満足度は5点満点中3.91点で、集計対象は20件でした(2026年11月8日時点)。操作のしやすさや音楽、子どもや初心者でも遊びやすい難易度を褒める声がある一方、過去作から見た目の進化を感じにくい、町やフィールドでのカメラの動きが気になる、後半は作業のように感じる、という不満も見られました。
開発者インタビューで語られたこと
発売前の2019年6月、E3 の会場でファミ通が行ったインタビューで、ゲームフリークの増田順一氏と、ディレクターの大森滋氏は、これまでのすべてのポケモンを本作に連れてこられるわけではないことについて説明しました。Switch になって表現が向上した分、開発にかかる時間が大きく増え、すべてのポケモンを高い品質で作り込み、バトルの調整をするのが難しくなったという理由です。増田氏はこれを「個人的には寂しいし、悲しいこと」と話していました。
2019年10月のインタビューでは、遊びやすさの工夫が語られています。大森氏によると、オートセーブはデータが消える事故を防ぐために入れたもので、設定で手動に切り替えることもできます。せいかくによる能力の上がりやすさを変えられる仕組みや、ポケモンセンターで技を思い出させたり忘れさせたりできる仕組みも、この流れで加わりました。増田氏は、プレイ時間が限られた人も増えた一方で、育成が一気に進みすぎると愛着がわきにくいとして、そのバランスを取ったと話しています。
評価されている点
ワイルドエリアの開放感
本作の象徴になったのが、カメラを自由に動かしながら歩き回れる広いフィールド「ワイルドエリア」です。公式サイトによると、天気は場所や日によって変わり、天気によって出会えるポケモンも変わります。ファミ通のレビュアーも画期的なシステムだと評価していました。増田氏は、広い範囲にたくさんのポケモンを表示しながら裏で通信処理も動かす必要があり、開発に苦労したと振り返っています。大森氏によると、草むらの見せ方だけで半年ほど議論したそうで、力の入った場所であることが伝わります。
ダイマックスとマックスレイドバトル
ポケモンが巨大化する「ダイマックス」は、テレビの大画面で大きなポケモンを見てほしいという考えから生まれた仕組みです。ワイルドエリアでは、野生のダイマックスポケモンに4人のトレーナーで協力して挑むマックスレイドバトルが遊べます。公式サイトによると、4人のうちダイマックスできるのは1人が1回だけなので、仲間との協力が欠かせません。4人集まらなかったときはサポートトレーナーが一緒に戦ってくれるため、一人でも挑戦できます。ファミ通のレビュアーも、オンラインでのバトルやレイドでは戦略が必要になる一方、交換などで気軽につながれる点を評価していました。
育成と管理の手間が大きく減った
どこでもボックスのポケモンと入れ替えられる、ポケモンセンターで技を思い出せる、オートセーブが入った、といった改善は、レビューでも口コミでもよく褒められています。昔のシリーズで手間だった部分が減ったことで、遊ぶ時間の短い人でも、手持ちを入れ替えながら冒険を進めやすくなりました。
キャラクターとスタジアムの演出
ジムバトルを盛り上げるスポーティーな演出や、チャンピオンをはじめとするキャラクターのデザインは、国内外のレビューで好評です。ファミ通のレビュアーはスポーティーな演出を評価し、Daily Star も低めの点をつけながらキャラクターとガラル地方のデザインは褒めていました。
批判されている点
すべてのポケモンを連れてこられない
ユーザーの不満が最も集まったのが、過去作のポケモンの一部が本作に登場せず、連れてくることもできない点です。開発側は理由を説明しましたが、長年ポケモンを集め続けてきたファンにとっては大きな問題でした。ユーザースコアの否定的な評価の多さには、この方針への反発が影響していると考えられます。
物語のテンポと一本道の作り
ワイルドエリアは自由に歩けても、それ以外の道のりは寄り道が少なく、制約が多いと感じたレビューもあります。Daily Star がテンポと世界の作りの窮屈さを、ファミ通のレビュアーが物語のあっさりさを挙げているように、ワイルドエリアの外側で冒険の広がりを感じにくいという意見があります。COGconnected の、途中から難易度が大きく下がるという指摘も、手ごたえを求める人には気になる部分です。
挑戦の少なさと見た目への不満
Gameplanet が使い回された素材の多さを、価格.com の口コミが見た目の進化の物足りなさを挙げているように、Switch の新作として期待したほどの驚きはなかった、という声もあります。新しい遊びの評価が高い一方で、それ以外の部分は従来どおりに見えてしまうことが、評価を下げる理由になっています。
なぜメディアとユーザーで評価が割れたのか
メディアのレビューは、ワイルドエリアやダイマックス、遊びやすさの改善といった「新しく加わったもの」を中心に評価しました。一方でユーザーの多くは、これまで育ててきたポケモンを連れてこられるかどうかという、シリーズを続けて遊んできたからこそ大切にしている部分を重く見ています。同じソフトを見ていても、何を基準にしているかがまったく違うんですよね。
初めてポケモンの本編を遊ぶ人にとっては、登場ポケモンが絞られていても気づかないことが多く、ワイルドエリアやレイドの楽しさがそのまま伝わります。逆に、好きなポケモンがガラル地方にいない人にとっては、ほかの部分がどれだけ良くても満足しにくい作品です。2,736万本という販売本数と、4.8点というユーザースコアが同時に成り立っているのは、この差のためだと思います。
エキスパンションパスの内容
本作には、追加コンテンツの『ポケットモンスター ソード エキスパンションパス』(2,980円・税込)があります。第1弾の「鎧の孤島」は2020年6月17日、第2弾の「冠の雪原」は2020年10月23日に配信されました。ソフトとエキスパンションパスがセットになった『ポケットモンスター ソード + エキスパンションパス』は9,558円(税込)で販売されています。本編のガラル地方だけでは物足りなかった人にとって、新しいエリアで冒険を続けられる選択肢になっています。
ポケモン ソードは買いか
希望小売価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに6,578円(税込)です。追加コンテンツまで遊ぶつもりなら、最初から+エキスパンションパスのセットを選ぶと手間が省けます。
ソードを今から選んでも満足しやすい人
- 広いフィールドを歩き回りながら、新しいポケモンを捕まえたい人
- 友だちやオンラインのプレイヤーと、マックスレイドバトルに挑みたい人
- 育成や手持ちの入れ替えの手間を減らして、テンポよく冒険したい人
購入前に登場ポケモンを確認したほうがいい人
- 過去作で育てたお気に入りのポケモンと一緒に冒険したい人
- 寄り道の多い、広がりのある冒険をじっくり味わいたい人
- 物語の後半まで、しっかりした歯ごたえを求める人
ソードの評判は、何を期待するかでまったく違って見えます。好きなポケモンがガラル地方にいるかを先に確かめておけば、ユーザースコアの数字ほど後悔することは少ないはずです。ワイルドエリアで初めてダイマックスしたポケモンを見上げたときのわくわく感は、多くのレビューが認める本作ならではの体験です。