
幻想水滸伝 I&II HDリマスターの評価【口コミ・評判】Switch版は買いか
『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』は、2025年3月6日にKONAMIから発売されたRPGです。プレイステーションの名作2本を1本にまとめ、Nintendo Switch、PS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PCで発売されました。価格は税込5,500円。2025年6月5日には、同じ価格で「for Nintendo Switch 2」版も発売されています。
評判を先にまとめると、「108星を集めて国を動かす物語は今も色あせない。ただし、遊びにくい部分まで当時のまま残っている」という評価が中心です。この記事では、MetacriticのSwitch版の評価、Steam、Amazon、ファミ通の開発インタビューをもとに、Switch版の口コミ・評判を整理します。
※2026年11月8日時点の情報です。
幻想水滸伝 I&II HDリマスター Switch版のメタスコア
MetacriticのSwitch版は、メタスコア82点(13件)で「Generally Favorable(おおむね好評)」でした。内訳は肯定的12件、賛否両論1件、否定的0件で、否定的な評価は1件もありません。参考までに、PS5版は81点(29件)で、機種による差はほとんどありませんでした。
Switch版のユーザースコアは7.4ですが、評価したのは5人だけなので、数字よりも中身を見たほうが参考になります。件数の多いPS5版のユーザースコアは8.2(120件。肯定的81%)で、ユーザーからもおおむね好評です。
各メディアのレビュー・評価
Metacriticに掲載されたSwitch版のレビューから、主なものを訳して要約しました(点数はMetacriticの表記です)。
Digitally Downloaded 100点
続編やリブートを待つまでもなく、この2作は今も驚くほど素晴らしいと評価しています。原典の『水滸伝』を読むこともすすめるほどの熱の入ったレビューでした。
Siliconera 90点
大きな新要素はないものの、グラフィックの手直しと遊びやすさの改善で、Switchで楽しく遊べるJRPGになったとしています。
NintendoWorldReport 85点
『II』はJRPG好きなら必ず遊ぶべき90年代の名作だと絶賛する一方、『I』はそこまで魅力を感じなかったと書いています。
Nintendo Life 80点
ほかのリマスター作品と比べると機能は控えめだが、ゲーム自体はよく年月に耐えているという評価です。KONAMIにはいくつかの調整を望んでいました。
Nintendo Insider 80点
2作の出来には差があるとしつつ、『II』の手直しを高く評価しています。背景をドット絵風に切り替えられる設定がほしかった、という要望も添えていました。
Hobby Consolas 79点
新しいグラフィックと小さな追加要素、翻訳によって価値のある更新になったとしつつ、リマスターの作業そのものは特に印象に残るものではないとしています。
Steam(PC版)とAmazonでの評価
SteamのPC版は、英語のユーザーレビュー1,451件のうち96%が好評で「圧倒的に好評」でした。直近30日も34件中94%が好評の「非常に好評」で、発売から1年半以上たっても評価が落ちていません。
Amazon.co.jpのSwitch版パッケージは、5点満点中4.4(316件)でした。国内外ともに、ユーザーの満足度が高い作品だと言えます。
ユーザーレビューの中身を見ると、2作で65時間以上遊べたというボリュームへの満足や、オートバトルと倍速のおかげで寄り道が苦にならないという声が目立ちました。反対に、ほぼ原作どおりの内容に対して価格が高い、セールを待ってもよい、という慎重な意見もあり、満足度の高さと同時に「手直しの少なさ」への評価が割れていることも分かります。
どんなゲームか:2つの戦争を描く2部作
『幻想水滸伝』は、中国の古典『水滸伝』をモチーフにしたRPGです。1作目の「門の紋章戦争」では、帝国の将軍の息子である主人公が、帝国に反旗を翻す解放軍を率いることになります。2作目の「デュナン統一戦争」は、その3年後が舞台で、別の地方で起こる国どうしの争いと、主人公と幼なじみの運命が描かれます。
どちらの作品も、各地で出会う108人の「宿星」を仲間にしていくのが大きな特徴です。仲間が増えるほど本拠地の城に施設が増え、店やお風呂などの施設が使えるようになり、遊べることが広がっていきます。戦闘は最大6人のパーティで戦うコマンド式で、決まった組み合わせの仲間で放つ協力攻撃もあります。物語の節目には、軍どうしがぶつかる戦争イベントが入り、集めた仲間の顔ぶれが戦いの行方に関わってきます。仲間集めと物語がしっかり結びついているところが、このシリーズならではの面白さなんですよね。
セーブデータは『I』と『II』それぞれに16個とオートセーブ1個が用意されていて、2作を並行して遊ぶこともできます。一方で、紋章を宿せる枠が1つだけであることや、『II』のあるイベントに設けられた時間制限など、原作の仕様もそのまま残されています。当時の手触りを守ることを優先した作りなので、最新のRPGのような細かな親切さを期待すると、少し戸惑うかもしれません。
Switch版とSwitch 2版の違い
これから買う人が迷いやすいのが機種の選び方です。ファミ通が2025年4月に伝えた公式の仕様では、2つの版には次の違いがあります。
- 解像度:Switch 2版はTVモード2560×1440・携帯モード1920×1080、Switch版はTVモード1920×1080・携帯モード1280×720
- フレームレート:Switch 2版は60fps、Switch版は30fps
- ダウンロード版の推奨空き容量:Switch 2版は12GB、Switch版は7.5GB
- セーブデータ:Switch版からSwitch 2版への変換は可能。ただし、Switch版の特典コードはSwitch 2版では使えない
Switch 2本体を持っているなら、同じ価格でより快適に動くSwitch 2版を選ぶのが自然です。Switch版でも遊ぶのに支障はありませんが、海外のユーザーからは30fpsへの不満が出ていました。

開発インタビューで語られた変更点
ファミ通.comが2024年10月3日に公開したインタビューでは、IP・ゲームディレクターの崎山高博氏、ディレクターの大串達也氏、キャラクターデザインの河野純子氏が、リマスターの方針を語っています。要点をまとめます。
- ソースコードとデータはPSP版がもと。画面が横に広がったPSP版の演出の課題を大きく直し、ほぼ別物になった。そのため、セガサターン版だけの追加要素は入っていない
- 敵味方を合わせて約130人の顔グラフィックを、河野氏がトレスせずに描き直した。印象を変えずに解像度を上げることを意識した
- ゲームバランスは原則として変えない方針で、直したのは明らかな不具合だけ。紋章の装備枠が1つなのも原作どおり
- ルカ・ブライトの過激なセリフは原作のまま残し、レーティングはCERO:Cに上がった。一方で、喫煙の表現などは一部見直した
- 発売を延期したのは、不具合の修正に加え、見た目の仕上げや翻訳の練り直しに時間がかかったため
「当時の体験はそのままに、見た目と遊びやすさだけを今に合わせる」という方針がはっきりしていて、良くも悪くもこれが評価の分かれ目になっています。
評価されている点
108星を集める物語の熱さ
最も多く挙がる賛辞が物語です。国と国の争いに巻き込まれた主人公が仲間を集め、本拠地が少しずつにぎやかになっていく流れは、今遊んでも引き込まれます。特に『II』の展開は、メディアにもユーザーにも絶賛されていました。
描き直された顔グラフィックと背景
キャラクターの顔は昔の印象を残したまま精細になり、背景もイラストで描き直されています。当時遊んだ人ほど「思い出の中の幻水がそのまま美しくなった」と感じやすいと思います。
倍速とオートバトルで遊びやすい
戦闘の倍速(序盤は2倍、後半は4倍まで)や「おまかせ」のショートカット、イージー・ノーマル・ハードの難易度選択、セリフのログが加わりました。レベル上げや仲間集めの寄り道がぐっと楽になり、初めての人にも勧めやすくなっています。名場面を見返せるイベントビューワーやサウンドモードなどのギャラリーも好評です。

批判されている点
古い仕様がそのまま残っている
セーブは決まった場所でしかできず、オートセーブもセーブポイントに限られます。持ち物や装備の管理のしにくさ、カーソル位置を覚えない点なども当時のままで、「ここは直してほしかった」という声が多く見られました。
運任せのミニゲーム
サイコロ遊びなど、仲間集めに関わるミニゲームが運に左右されて面倒、という意見もあります。108星をすべて集めたい人ほど、ここでつまずきやすいようです。
ドット絵と背景の質感の差
キャラクターのドット絵はそのままなので、描き直された背景との間で質感に差を感じる人がいます。背景がなめらかできれいすぎる、という海外メディアの指摘もありました。
『I』と『II』の出来の差
『II』への評価がとても高い分、『I』は短く、システムも素朴に感じられます。セットで買う以上、2本目にたどり着く前に1本目で飽きないか、という心配は少しあると思います。
評価が割れるのは「どこまで変えてほしかったか」
当時遊んだファンの多くは、物語やバランスに手を入れなかったことを歓迎しています。一方で、今のRPGに慣れた人や、昔の不便さをよく覚えている人ほど、セーブや持ち物まわりの不便さが目につきます。開発側があえて原作を守った部分が、そのまま不満点にもなっているんですよね。どちらを重く見るかで、同じ作品の印象が大きく変わります。
幻想水滸伝 I&II HDリマスターは買いか
ファミ通の1周年記事によると、『II』をもとにしたテレビアニメが2026年に放送予定で、『I』の4年前を描く新作『幻想水滸伝 STAR LEAP』もスマートフォンとSteam向けに開発中とされています。シリーズが再び動き出した今は、原点の2作に触れておくのにちょうどよいタイミングです。物語重視のRPGが好きなら、2本で税込5,500円という価格は十分に見合う内容だと思います。Switch 2を持っているかどうかで選ぶ版が変わる点だけ、購入前に確認しておきましょう。
この作品が刺さりやすい人
- 仲間を集めて本拠地を育てる、昔ながらのJRPGが好きな人
- PS版やPSP版で遊んだ思い出があり、きれいになった画面でもう一度味わいたい人
- アニメ化をきっかけに、『II』の物語を自分の手で体験しておきたい人
もう少し様子を見てもよい人
- どこでもセーブできる、今風の遊びやすさを強く求める人
- ドット絵よりも、フル3Dで作り直したリメイクを期待している人
- Switch本体だけで、なめらかな60fpsで遊びたい人
このHDリマスターは、名作を作り直すのではなく、当時のままの姿で遊べるように整えた作品です。最初は倍速とおまかせを遠慮なく使い、物語の続きが気になるペースで進めていくと、2作目の終盤まで一気に駆け抜けられると思います。