
トライアングルストラテジーの評価・レビュー【口コミ・評判】
『トライアングルストラテジー』は、2022年3月4日に Nintendo Switch で発売されたタクティクスRPGです。『オクトパストラベラー』と同じ HD-2D の映像で、3つの国が争う大陸「ノゼリア」を舞台に、主人公セレノアと仲間たちが下す決断を描きます。同年10月には PC(Steam)版も配信されました。
トライアングルストラテジーの口コミを見ていくと、選択で分岐する重厚な物語と、高低差を使った戦術バトルが高く評価される一方、戦闘より会話の時間が長い構成に好みが分かれるという傾向がはっきりしています。この記事では、Metacritic、Steam、Amazon の評価と、電撃オンラインの開発者インタビューをもとに、その理由を詳しく見ていきます。
※2026年11月8日時点の情報です。Switch 版の評価を中心に紹介します。
トライアングルストラテジーのメタスコアとユーザースコア
Metacritic の Switch 版ページでは、メタスコアは83点で「Generally Favorable(おおむね好評)」です。批評家レビュー109件のうち、肯定的102件(94%)、賛否7件(6%)、否定的0件となっていて、否定的な評価が1件もないのが特徴です。点数の高さ以上に、メディアの評価が安定していることが分かります。
ユーザースコアは8.2点で、542件の評価の内訳は肯定的430件(79%)、賛否60件(11%)、否定的52件(10%)でした。ユーザーレビューの本文では、10点をつけた人の多くが「Switch で一番の戦略RPG」「何度も遊んで別の結末を見たくなる」と書いています。一方で、評価が低めの人は「会話が長すぎて、戦闘がなかなか始まらない」とほぼ同じ点を挙げていて、不満の中身はかなり共通しているんですよね。
海外メディアのレビュー・評価
Metacritic に掲載された Switch 版のレビューから、主なものを訳して要約しました(点数は Metacritic 上の表記です)。
LEVEL 100点
引き込まれる政治スリラーであり、戦術バトルも基本はシンプルながら可能性に満ちていると、物語と戦闘の両方を高く評価しています。
Noisy Pixel 90点
タイトルは作品の中身をあまり伝えていないと苦言を呈しつつ、物語、戦闘、選択と倫理の扱い方はどれも見事だとしています。
Game Informer 83点
いちばん簡単なのは戦闘で、いちばん難しいのは選択だという書き方です。不正義を正面から描く暗い展開と複数の結末が、遊び終えたあとも重い余韻を残すと評価しています。
Siliconera 80点
序盤はゆっくりで、強力な戦術が手に入るのは後半になるため、我慢が必要だとしています。早々に投げ出すか、お気に入りの1本になるかのどちらかだろう、という見立てです。
Nintendo Insider 80点
戦略面ではほぼ完璧に近いが、物語と戦闘の配分がアンバランスだと指摘しています。それでも長所が短所を上回るという結論です。
Digital Trends 50点
戦術の作りは賢いと認めながら、政治劇の物語が退屈で、せっかくのバトルの良さを覆い隠してしまっていると厳しく評価しました。

Steam版(PC)と国内の評価
PC 版は Steam で7,680円です。英語表示のストアページでは、英語のレビュー1,514件のうち77%が好評で「やや好評」でした。直近30日は28件中82%が好評と、発売から時間がたった今のほうがやや高い数字になっています。セールで手に取った人が、評判を知ったうえで遊んでいることも影響していそうです。
国内では、Amazon.co.jp の Switch 版パッケージ(通常版)の商品ページで5つ星のうち4.1(1,680件の評価)でした。国内の評価は海外のユーザースコアと近い水準で、日本でもおおむね好意的に受け止められています。
販売面では、スクウェア・エニックスが2022年12月21日に、Switch 版と Steam 版を合わせた全世界累計の出荷・ダウンロード販売本数が100万本を突破したと発表しました(Game*Spark の記事より)。完全新作のタクティクスRPGとしては、大きな成果と言える数字です。
公式サイトによると、2025年8月20日には PlayStation 5、Xbox Series X|S、Microsoft Store on Windows 版も発売され、Meta Quest 版も展開されています。Switch 専用の作品として始まったタイトルが、発売から3年以上たって遊べる機種を大きく広げたことになります。
トライアングルストラテジーはどんなゲームか
公式サイトの紹介では、本作は「さまざまな陰謀が交差する三国の群像劇」です。開発はアートディンクとスクウェア・エニックスの浅野チームで、プレイ人数は1人。遊びの流れは、物語のシーンを見る、町を探索して人々と話す、戦場でユニットを動かして戦う、の3つをくり返す形になっています。
中心にあるのが「信念」の仕組みです。会話や戦闘での選択が3種類の価値観に分類されてひそかに蓄積され、物語の分岐や、仲間に加わるキャラクターまで変えていきます。町での会話からは、投票の前に仲間を説得するための材料が手に入ることもあります。探索も含めて、すべての行動が物語の行き先につながっている作りなんですよね。
開発者が語った「投票」と「会話の多さ」
電撃オンラインのインタビュー(2022年6月3日)で、プロデューサーの新井靖明さんは、本作が『オクトパストラベラー』の成功を受けた浅野チームの完全新作として生まれたと説明しています。浅野智也さんには「大人向けの骨太な群像劇」を作りたいという思いがあり、前線の兵士と城にいる人物など、複数の視点で物語を描きやすいことからタクティクスRPGを選んだそうです。
投票システムは物語が先にあって後から考案されたもので、選択肢を選ぶだけの作品にはしたくないという考えから生まれたと語られています。シナリオ担当の山本尚基さんは、本筋の表現を控えめにした一方で、テキスト量はどうしても多めになったと認めていました。批判されがちな会話の長さは、作り手も自覚していた部分だったわけです。
評価されている点
仲間を説得して決める「信念の天秤」
物語の分かれ道では、仲間たちが天秤に票を投じて進む道を決めます。主人公は投票の前に仲間を説得できますが、主人公の「信念」が足りないと説得に失敗することもあり、自分の思いどおりに進むとは限りません。この緊張感が、ほかのRPGにはない体験として高く評価されています。
高低差と位置取りが生きるバトル
戦場には高低差があり、高い場所から攻撃すると有利になります。敵の背後に回り込む、狭い道で迎え撃つといった位置取りの工夫が勝敗を分けるため、マップごとに作戦を考える楽しさがあるという声が多く見られます。ハードモードの手応えをほめる人や、レベル上げをあまり強いられない作りを評価する人もいました。
複数の結末と、周回したくなる作り
選択によって結末が変わるため、2周目、3周目と遊び直す人が少なくありません。70時間以上遊んでも新しい発見があった、という声もあります。別の道を選んでいたらどうなったのかを、自分の目で確かめたくなる作りが支持されています。
大人向けの落ち着いた人物描写
登場人物は、それぞれの立場と言い分を持った大人として描かれています。敵側にも筋の通った理由があり、単純な善悪で割り切れないところが、真剣な群像劇として受け止められています。戦記ものの小説を読むように物語を味わえた、という感想も見られました。
HD-2Dの映像と千住明さんの音楽
ドット絵のキャラクターと立体的な背景を組み合わせた映像は、タクティクスRPGとの相性が良いと好評です。音楽は千住明さんが手がけていて、重厚な曲を名指しでほめるユーザーが多く見られます。

批判されている点
会話が長く、戦闘の数が少ない
最も多い不満は、物語のシーンの長さです。「最初の5時間で戦闘が2回しかなかった」「本を読んでいるようだ」といった声があり、テンポの遅さで脱落した人もいます。戦闘を目当てに買った人ほど、ここに強いストレスを感じやすいようです。
育成の自由度が低く、キャラクターの役割が決まっている
ユニットはそれぞれ得意な役割がはっきりしていて、職業を自由に付け替えるような育成の幅は広くありません。『ファイナルファンタジータクティクス』のような自由な編成を期待した人からは、カスタマイズの幅が狭いという指摘が出ています。
序盤の地味さと、古さを感じるメニュー
強力な技が揃うまでの序盤の戦闘が単調に感じられる、メニューや操作が古風だ、という意見もあります。英語版の声の演技が合わなかったというユーザーもいました。
なぜ評価が割れるのか
本作の評価を分けているのは、「戦略シミュレーション」と「群像劇」のどちらを期待したかだと思います。物語を読み込み、選択の重さを味わいたい人には、長い会話こそが本作の魅力です。反対に、戦闘をたくさん楽しみたい人にとっては、会話のたびに手が止まる構成がもどかしく感じられます。
メディアの評価が高く安定しているのは、両方の要素の完成度がそれぞれ高いからでしょう。ユーザーの不満が出るのは作りの粗さではなく配分の問題で、これは開発者インタビューの「テキスト量が多めになった」という話とも重なります。
また、本作の面白さは後半ほど増していく作りです。メディアの Siliconera も指摘していたように、戦術の選択肢が揃うのは中盤以降で、序盤だけで判断するともったいない作品だと言えます。最初の数時間で合わないと感じた人が低い点をつけ、最後まで遊んだ人が高い点をつける、という差が数字に表れているように見えます。
トライアングルストラテジーは今から買うべきか
任天堂のソフト情報では、Switch 版の価格は7,680円(税込)で、2026年11月8日時点でダウンロード版のセールは行われていませんでした。パッケージ版は通販サイトで定価より安く見つかることもあるので、価格を比べてから選ぶとよいでしょう。
いまは PS5 や Xbox、PC でも遊べるので、機種の選び方も少し変わってきました。携帯モードで少しずつ物語を読み進めたいなら Switch 版、大きな画面で腰を据えて遊びたいなら据え置き機や PC 版、という選び方ができます。機種ごとに価格やセールの時期が違うので、購入前に各ストアの値段を見比べておくと安心です。体験版を用意しているストアもあるので、会話の量が自分に合うかを先に確かめるのもよい方法だと思います。
この作品を楽しめそうな人
- 政治劇や戦記ものの、重くて大人向けの物語が好きな人
- 地形や位置取りを考えるタクティクスRPGが好きな人
- 選択を変えて、別の結末を確かめるために何周も遊べる人
購入前に考えたい人
- 会話シーンより、戦闘の回数とテンポを重視する人
- キャラクターの職業を自由に組み替えて育てたい人
- 序盤から派手な展開を求める人
トライアングルストラテジーは、戦術と物語の両方にしっかり時間を使うRPGです。じっくり物語に浸る時間が取れるなら、選択の重さとともに長く記憶に残る1本になると思います。