
ゼルダの伝説 知恵のかりものの評価・レビュー【口コミ・評判】カリモノの自由度とボリュームへの声
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、2024年9月26日に任天堂から発売された Nintendo Switch 用のアクションアドベンチャーです。シリーズで初めてゼルダ姫が主人公になり、ハイラルにある物や魔物を「カリモノ」として写し取り、好きな場所に呼び出して進んでいきます。口コミや評判を見ていくと、「自分なりの解き方が見つかるのが楽しい」という声がとても多いんですよね。
結論から書くと、決まった答えに縛られない謎解きを、見下ろし型のゼルダで味わいたい人には満足度の高い1本です。その一方で、終盤にカリモノが増えすぎて選ぶのが面倒、定価に対してボリュームが物足りない、という不満も一定数あります。この記事では、Metacritic の数字、海外メディアとファミ通のレビュー、開発者インタビュー、価格.com の口コミから、評価のポイントを整理しました。
※2026年11月8日時点の情報です。Switch 専用ソフトで PC 版は発売されていないため、Steam のレビューは存在しません。
知恵のかりものはどんなゲームか
公式サイトによると、物語は、ハイラルの各地に現れた謎の裂け目に人々がのみ込まれていくところから始まります。リンクやハイラル王までもが姿を消し、残されたゼルダ姫が、妖精トリィから授かった杖を手に、ひとりで旅立つという筋書きです。
杖の力で写し取れるのは、ベッドやツボ、テーブルといった身近な物から、フィールドで倒した魔物までさまざまです。ベッドを並べて段差を登る、ツボを投げて壊す、草を燃やすなど、物の性質を組み合わせて道を切り開いていきます。プレイ人数は1人で、TVモード・テーブルモード・携帯モードのどれでも遊べます。剣と盾を手に取って突き進むこれまでのリンクの冒険とは、頭の使い方がだいぶ違うんですよね。
知恵のかりもののメタスコアとユーザー評価
Metacritic の Nintendo Switch 版ページでは、メタスコアは85点、批評家レビューは124件でした。内訳は肯定的115件(93%)、賛否9件(7%)、否定的0件です。「全機種」欄には129件という表示もありますが、本記事では Switch 版の件数を使っています。
ユーザースコアは8.3点(1,384件)で、肯定的1,119件(81%)、賛否179件(13%)、否定的86件(6%)でした。否定的な評価をつけた批評家は1人もいませんが、満点級の絶賛一色というわけでもなく、「安心して薦められる良作」という位置づけで評価がまとまっている印象です。
海外メディアのレビュー・評価
Metacritic に掲載されているレビューから、要旨が読める7つを翻訳・要約しました(点数は Metacritic 上の表記のままです)。
Gameliner 100点
カリモノのおかげで自由度と創造性が大きく、なかなか手を止められないゲームだと評価しています。
Hey Poor Player 90点
長く続くシリーズに、また一つ傑出した作品が加わったという、ストレートな賛辞です。
IGN Spain 90点
体験そのものは際立っているものの、使い勝手の面にいくつか難がある、と添えています。
IGN Adria 90点
丁寧に作られた、伝説的なシリーズに新鮮さを持ち込む作品だという評価です。
Starbit 80点
手に入るたびに広がっていくカリモノの仕組みが、謎解きでも戦闘でも見事に機能していると書いています。
PC Games 80点
新しいアイデアは気持ちいいものの、序盤のわくわく感が最後までは続かない、という指摘です。
VGC 60点
目玉となる仕組みの多くが、その可能性を十分に生かし切れていないとする、掲載レビューの中では最も厳しい評価です。
高評価のレビューも低評価のレビューも、話題の中心はカリモノです。仕組みそのものを否定する声は少なく、「どこまで掘り下げられたか」で点数が分かれている、と読めます。
ファミ通のクロスレビューは36点
国内では、週刊ファミ通1867号のクロスレビューで10・9・9・8点の合計36点(平均9.0点)がついています。テーブルやツボから魔物まで、覚えたものを呼び出して謎解きやバトルに使う仕組み、ゼルダ自身が戦える「剣士モード」、「シンク」を使ったパズルなどが評価された一方で、物語の進みがゆったりしているという指摘もありました。
開発者インタビューで語られたカリモノの成り立ち
任天堂公式サイトの「開発者に訊きました」には、プロデューサーの青沼氏、任天堂側のディレクターを務めた佐野氏、開発を担当したグレッゾのディレクター寺田氏が登場しています。佐野氏はシリーズ初の女性ディレクターとして紹介されていました。
インタビューによると、グレッゾには「リメイクではなく完全新作を」という依頼があり、社内でアイデアコンテストを開いたところ、審査だけで3日かかったそうです。選ばれたのは「コピー&ペースト」と「見下ろし視点と横視点の組み合わせ」という2つの案でした。最初の試作は、物をコピーして自分だけのダンジョンを作る「エディットダンジョン」だったといいます。
転機は、試作開始から約1年後に青沼氏が「コピーした物をフィールドで道具として使ったほうが面白い」と方向転換を求めたことです。青沼氏自身はこれを「ちゃぶ台返し」と表現しています。プレイヤーが自分のやり方で問題を解けることこそゼルダの謎解きの魅力、という考えがあったようです。佐野氏は、同じ物でも見下ろし視点と横視点で使い道が変わる点を「視点が変わると2倍おいしい」と話していました。
評価されている点

答えが1つではない謎解き
最も多く挙がる賛辞は、解き方の自由さです。価格.com では、ベッドをひたすら重ねて高い所に登っていたプレイヤーが、クリア後に「水のブロックを積むほうが楽だった」と知った、という体験談がありました。どのカリモノで切り抜けても正解になるので、人によって攻略の手順がまったく違ってくるんですよね。「ゴリ押しも利くので色々な楽しみ方ができる」という声もあり、謎解きが得意でない人でも詰まりにくい作りになっています。
魔物を味方にして戦う新しさ
カリモノの対象は物だけでなく、倒した魔物も含まれます。ゼルダは呼び出した魔物に戦ってもらうのが基本のスタイルで、「魔物を従えて立ち向かう」という口コミがあるように、これまでのリンクの冒険とは逆の立場で戦う感覚が、新鮮さにつながっています。
ジオラマ調のグラフィックと音楽
2019年の『夢をみる島』リメイクから続く、おもちゃのような質感のハイラルは好評です。「過去の曲のアレンジに懐かしさを感じる」「たてぶえ風の気の抜けたBGMがいい」という感想も見られます。回復アイテムがスムージーだったりと、全体のゆるい雰囲気を「女子旅のよう」と表現した人もいました。
寄り道で遊ぶ時間が延びる
物語だけを追えば短めですが、サブクエストやミニゲームに手を出すと遊ぶ時間は大きく延びます。事前に「クリアまで20時間程度」と調べていたのに、寄り道をしながら50時間かかったというレビューもありました。
批判されている点
カリモノが増えると選ぶのが大変

口コミで一番多い不満は、操作面です。中盤以降はカリモノの数が非常に多くなり、一覧から目的の物を探して選ぶのが手間になります。「中盤以降は選ぶのが大変」「切り替えがもう少しスムーズなら」という声が複数あり、IGN Spain が挙げた使い勝手の問題も、このあたりを指していると思われます。
自分で戦える時間が短い
ゼルダが直接戦える状態は、エネルギーが尽きるまでの限られた時間だけです。価格.com では「自力で攻撃できるのは20秒ほどで、爽快感はあまりない」という感想がありました。魔物任せの戦闘をもどかしく感じる人には、合わない部分です。
便利なカリモノでバランスが崩れる
序盤から手に入る、壁を登れる魔物のカリモノが便利すぎて、ストーリーの順番を飛ばしてどこへでも行けてしまう、という厳しい意見もありました。自由度の高さと表裏一体で、決められた順序で解いていく緊張感を求める人には物足りなく映るようです。
価格に対するボリューム
希望小売価格はパッケージ版7,678円、ダウンロード版7,600円(ともに税込)です。「1〜2週間でクリアした」「定価が7,000円を超えるなら、もっとボリュームがほしい」という声があり、『ブレス オブ ザ ワイルド』『ティアーズ オブ ザ キングダム』と比べてスケールが見劣りするのは仕方ない、と受け止める人もいました。まれに処理が重くなってカクつく場面がある、という指摘も見られます。
日本のユーザーレビューの傾向
価格.com のユーザーレビューは、満足度が5点満点中4.24点(集計対象26件、総投稿数27件)でした。星5と星4がそれぞれ42%、星3が12%、星2が4%で、星1はありません。
評価項目は、グラフィック4.38点、サウンド4.36点、操作性4.12点、熱中度4.08点、ゲームバランス4.05点、継続性3.53点の順です。継続性だけがカテゴリ平均(3.60点)を下回っていて、「一度クリアしたら周回はしない」という声と一致しています。満足度は高いものの、何度も遊び直すタイプの作品ではない、というのが国内ユーザーの共通した見方だと思います。
なお、Nintendo Switch 2 で遊んだ人からは「4K画質で非常に綺麗だった」という感想も出ています。公式サイトには、Switch 2 向けの無料アップデートの案内も掲載されています。
評価が分かれるポイント
「謎解きの自由」をどう受け取るか
同じ仕組みが、ある人には「自分だけの解法が見つかる楽しさ」になり、別の人には「何でも通るので手応えがない」になります。ファミ通や海外の高評価レビューは前者を、VGC や一部のユーザーは後者を重く見ていて、点数の差はこの受け取り方の差だといえます。
比べる相手がどのゼルダか
見下ろし型の『夢をみる島』や昔の2Dゼルダと比べる人は、新しさと遊びの幅を評価しやすい傾向です。価格.com にも「夢をみる島を遊んでいると、このリンクにも愛着が湧く」という声があり、過去作との地続き感を楽しんでいる様子がうかがえます。反対に、広い世界を自由に歩ける近年の大作を基準にすると、世界の広さや物語の重みで物足りなさを感じやすくなります。
知恵のかりものは買いか
「2Dゼルダの新しい形」として見れば、完成度は高い作品です。ゆったり進めて寄り道まで楽しめば、価格に見合う時間は十分に遊べると思います。
満足しやすい人
- ひらめきで道を切り開く、自由な謎解きが好きな人
- アクションの腕前より、工夫で切り抜けるプレイが好みの人
- 『夢をみる島』のようなジオラマ調の世界観に惹かれる人
期待とずれやすい人
- 剣を振って自分の手で敵を倒す爽快感を最優先にする人
- ゼルダ作品に、近年の大作並みの広さや物語の重さを求める人
- メニューから物を選び直す細かな操作を、面倒に感じやすい人
カリモノが増えてきたら、よく使うものを頭の中で絞っておくと、選ぶ手間がかなり減ります。ベッドひとつで崖を越えるような、少し間の抜けた解き方を思いついた瞬間こそ、このゲームのいちばんおいしいところです。